〔第3話〕 古代から受け継がれる歯みがきの大切さ
古今東西、歯にまつわる言い伝えや記述はいろいろな形で残されています。
例えば古代エジプトのパピルスにはすでに歯みがきの処方について記述がありました。
インドでもあのお釈迦様が「朝はやく起き、虫食いのない木を使って歯をみがきなさい」と啓蒙していた痕跡があります。
当時の仏典にこのような記述があることからお釈迦様の言葉として伝えられてきたといいます。
ところで、「歯をみがく」という考え方は仏教の伝来とともに日本に輸入されたそうです。
6世紀の中頃に輸入された仏教がやがて平安朝のころになると加治祈祷の儀式で人心を得た密教にも発展、
その儀式のなかに楊枝の儀式というものがあって、それが民間への歯みがき奨励に大きな役割を果たしたと伝えられています。
このように、歯みがきは時代を超え、民族を超えてその大切さが伝えられてきたようです。
参考文献:長谷川正康著「かむ-歯は生命-」
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